蓄音機 ─言葉とか催眠とか─

催眠が好きです。言葉や催眠や文具、その他面白そうな事について、ああとかこうとか書いて行こうと思います。

怪盗が盗みに入るように、僕はハガキを出しに行った

午前二時を回っていた。 何日越しになるか、ようよう宛名書きまで書き終えて、さていつ出しに行こうと考えた。 普通に考えれば、夜が明けてから、となるだろう。 ただ目が覚めた明日、外出できる具合とも限らない。 明日中に出せなければ、速達で出すにして…

延命と点滴

十一月の末。 やくたいもない、病院の帰り道。 馴染みのない路線だ。車内の液晶パネルを見て、このまま終点まで乗っていけば新宿なのだと初めて知った。 知らず、係留点に繋がっていた丸ノ内ライン。 そもそも座席を立つ気力もなかった。だのに、ここで降り…

赤の他人

名前というのは、親が一番初めに子に背負わせるエゴであり、呪いである。 早くは、生まれる前から始まる。 顔を見てから決めるという親もいる。 会話も交わしたことのない相手なのに、親に子どものなにがわかるというのか。 うちに来た赤ん坊には、まだ名前…

さびしい一人称

最近、よく話すイギリス人がいる。 あまりに僕の中の「イギリス人」という概念にはまり過ぎているので、陰では概念英国人氏、なんて呼んでいる。ステレオタイプというもの自体は好きではない僕だが、これはちょっと、ロマンに近い。 『狭い質問していい?』 …

異邦人 ─手話が公用語の国─

外国人によく頼みごとをされる。 写真を撮ってほしい、道を教えてほしい、電車の乗り方を教えてほしい......頼みやすそうに見えるのか、外国語が堪能に見えるのか。ともかく、よく助けを求められる。 日本語で話しかけてくる外国語はほとんどいない。覚えて…

させられる「師」たち ─催眠の抽象的な話─

時々お世話になるマッサージ師のお兄さんがいる。 初めの頃こそ「まとも」なふりをしていたお兄さんだが、実のところかなり変だ。やがてわたしも変であると判ったらしく、遠慮なく変な話を変な話し方でするようになった。 お兄さんはわたしの催眠趣味を知っ…

ホーホーのさいみんじゅつ ─催眠の基礎知識─

今日3月21日は、「催眠術の日」と言われている。催眠術師がよくやる、「3・2・1」というカウントダウンが由来になっているとのこと。というわけで、今日は催眠術の話をしようと思う。 昔話から始めよう。僕が小さい頃、姉がプレイするポケモンを覗いていた…

きみにロマンはあるか

目の前であの子が食べる、コーヒーゼリーのサクランボを見てふと話し出したことだった。 「生まれて初めてお店でバニラアイスを食べたときにさ」 『あの子』というのは、ツイッターでは『かわい子ちゃん』なんて称することもある友人である。クールで、取り…

ごあいさつ ─具体的な─

当ブログには書く内容は、催眠・文具・言葉および言語に関して...あたりになるかと思います。文章を作ること自体が好きな人間なので、雑談も多くなるかと思います。 催眠に関しては主に、やったこと・やられたこと・見たことを、主観的かつ感覚的に文章に起…

ごあいさつ ─詩的な─

文章を書くのが好きです。 読むのも聴くのも好きですが、書くのは特に楽しい。作品を作るということでなくても、文を作るという行為、それ自体が楽しいのです。たぶん、鼻歌をうたうのが好きな人に似ています。 鼻歌のようなその場限りの文章でなく、読み返…